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テレワーク(ビデオ会議)時代のWiFi選び。WiFiの速度を実測。WiFi 5「5 GHz (11ac)」、WiFi 4「2.4 GHz (11n)」の特性を検証。

10Gb EthernetWiFi

コロナウイルスの影響でテレワーク、テレビ会議が増えています。結構、画質がいまいち、音が途切れるので、WiFiルータを交換しようと思っているのだが何がいい?等の問い合わせが増えています。

2.4 GHz(11n)と5 GHz(11ac)と違いとそれぞれの特徴をとりまとめてみようと思います。WiFiルータをわざわざ買い換える必要もないのに悩んでるケースも多いようですので、そのあたりを中心に実証をしていきたいと思います。

実験に使用した機器はバッファーローの「WSR-2533DHP」というWiFiルータです。

メーカーのHPによると”大容量を短時間で転送する次世代高速規格「11ac(5GHz)」に加え、2.4GHzの256QAMに対応。さらに、4×4アンテナを搭載し、5GHz帯は最大1733Mbpsを、2.4GHz帯は最大800Mbpsの高速通信が可能です。”というWiFi 6以前のフラッグシップモデルのひとつです。

改めてみるとなんでこんな色を買ったんだろ。百式みたいでひかれたのかなぁ。カガリのあかつきを想像したんかな。まあ、そんな話はさておき。

私は地方都市に事務所を構えていますので10Gサービスは開始されていませんので、環境はNTT西日本の「フレッツ光 ファミリーハイスピードタイプ隼」でプロバイダは「OCN」を利用しています。

最大通信速度は「最大概ね1Gbps」となっていますが、400Mbpsを超えることは経験したことがありません。

「ハイスピードタイプ」最大200Mbps、「ファミリータイプ」最大100Mbpsに関しては実証のをできませんが、NTT西日本のHPの説明ではONU(回線終端装置)まではすべて1Gbpsでの接続のようですので、多くの時間帯において差異はそれほどないような気はしています。

上記の写真の黒い箱がONU(回線終端装置)です。私はダイレクト(ブリッジ接続)にWiFiルータに直結してWiFiルータからインターネットにアクセスして認証をしています。ユーザーの中にはONUルータとしてONUからネットにアクセスしているケースもあります。ま、そのあたりは色々と調べれば出てくると思いますので割愛させていただきます。

ま、とりあえず実験をしてみます。

実験に使用したのはiPhoneとMacに同じソフトがある「Speedtest」という無料アプリです。

Netflixが提供している「FAST」などはWebでスピードテストができます。ボタンをクリックするだけですので、ご自身の環境のテストをしてみてください。

条件としては2m頭上で、4m離れたベストに近い環境でのWiFiチェックです。
時間帯は仕事としての使用頻度の高い午後3:00。

まず、一番左が有線での接続、真ん中が5G帯の「IEEE 802.11ac」接続。一番右が2.4G帯の「IEEE 802.11n」接続。100Mbpsぐらいしか出てないですね〜。

真ん中の5G帯は最大1,733Mbsとなっていますが、実際は有線と比べて約69%程度の速度、2.4G帯は最大800Mbpsとなっていますが約25%の速度でした。

zoomやスカイプ程度であればこの3種類の速度の差があっても実際の接続感に差は感じられませんでした。

続いては始業時間に近い朝の9:30の実験結果です。この時間帯は回線がそこそこ空いているのか100Mbpsをほとんどの状況で超えていました。常時このぐらいの速度が出ていれば言うことないのですがね〜。

有線LANに比べて5G帯は約74%、2.4G帯は約38%の速度でした。結果として元々のネット回線の速度が速いほうがWiFiにおける速度低下の割合も低く抑えられる事もわかりました。

続いては、金属のドアと外壁を挟んで15M離れた状況でのテストです。

条件としては2m頭上で金属のドアと外壁を挟んだ屋外まで移動して15m離れた5G帯の限界に近い環境でのWiFiチェックです。時間帯は午後3:10。

いやぁ、やはり落ちますね〜スピード。距離的に上記のベストな環境から考えると5G帯、2.4G帯共に速度の低下が見られました。

有線LANに比べて5G帯は約55%、2.4G帯は約17%の速度でした。WiFiの親機からの距離が離れた場合は5G帯、2.4G帯共に速度が低下することがわかりました。

ちなみにアンテナはこのような感じでした。

今回わかったことはきちんと接続さえされていれば、アンテナの本数に関わることなく、5Ghz帯の方が速度が出ているという事実でした。5G帯はアンテナがすぐ減るので使えないというのは一概に言えないことがわかりました。

ちなみに、MacBook ProとiPhoneはWiFiのアンテナ感度がに差があるようで、上記の同じ条件ではiPhone XSは5Ghz帯に接続できませんでした。データを受け取る側のマシンのアンテナ、チップの種類によっても有効距離が変わることがわかりました。

4mの距離の接続と同様にこの接続状況でもzoomやスカイプ程度であればこの3種類の速度の差があっても実際の接続感に差は感じられませんでした。

PCにおいても5Ghz帯が不安定な接続状況であれば、2.4Ghz帯を利用するのがよいかと。実験結果から考察するにWiFiルータと同室で10m以内であれば5Ghz帯を利用、それ以上の距離もしくは部屋をまたぐ場合においては2.4Ghz帯を選択するのが吉かと。

上記の結果をグラフにしたものが下グラフです。

ネット回線の全体速度が落ちていない場合は5GHz帯の「IEEE 802.11ac」、2.4GHz帯の「IEEE 802.11n」の環境があれば最低限のデータ通信環境は確保される。ということがわかりました。

ただし、有線LAN、5GHz帯の「IEEE 802.11ac」接続、2.4GHz帯の「IEEE 802.11n」という順番で同一回線でも速度が落ちるということもわかりました。

光回線の速度が出ている場合には2.4GHz帯でも、5GHz帯の速度と遜色のない速い通信速度は確保されています(※同一環境であれば、速度差はでる)。

しかし、それ以前に時間帯によっては驚くべきほど光回線の速度に差がある事がわかりました。

真ん中は速度の低下がもっとも多い時間帯の有線接続のスピードです。混雑時間帯である午後9時にはダウンロードが2.63Mbpsに低下しています。

はっきりいってこういう混雑した時間帯は機器の性能以前の問題で、何を使ってもどうしようもないですね。

一番右は真夜中で利用者が少ない状況ではほぼ私の環境でのベストに近い速度。アップロードもダウンロードも300Mbps以上出ています。

混雑時の午後9時。実際にこの状況だとzoom、スカイプ、FBメッセンジャーのすべてのビデオ会議において快適な通信ができない(使えないわけではない)状況を確認しました。

予想外に、この混雑した時間帯でも、携帯(モバイル環境)の4G接続は安定したダウンロードの速度が出ています。

時間帯によればテザリングやケーブル接続でパソコンに携帯を接続する方がテレワーク(テレビ会議)が快適な時間帯もあるということがわかりました。docomoのモバイル環境はどの時間帯もアップロードが遅いという傾向があるので、ご注意ください(テレビ会議は双方向)。モバイル環境のアップロードが光回線のダウンロードよりも早い場合は価値がある選択かと思います。

ホテルや公共施設のWiFよりもモバイル回線の方が早い場合は私はWeb会議にはテザリング(有線接続含)を利用することも多いです。ただ、ファイルの授受なのどのやりとりはモバイル環境を使うとあっという間にパケット使用料が増えますので、うまく使い分けるようにしています。

続いてはWiFiの機器を取り替えて規格の違う2.4GHz帯の速度テスト

出張時に使用することがあるバッファローの「WMR-300」があったのでこれを「WSR-2533DHP」と2.4Ghz比較したいと思います。

このWiFiは有線LANを接続してUSB給電でWiFi環境をホテルの部屋等で使える機材です。1G base-Tには対応してなく、100 base-Tのみの対応WiFiルータです。”最大300Mbps(IEEE802.11n)、最大54Mbps(IEEE802.11g)、最大11Mbps(IEEE802.11b)”

数値に違いはありますが、誤差のレベルで速度変化はないという結果でした。

この結果から2.4Ghzの「IEEE802.11n」接続であれば機器の性能によってMAXが最大の転送数が800Mbpsでも300Mbpsでもその差はないという事がわかりました。

どのようなWiFi接続をしても、有線LANと同等の速度は出ないとういう事実もわかりました。WiFiルータ、PC共に1G(1,000M)bpsを装備した機種であれば有線での接続が最も格安で安心できる環境であるといえるのかもしれません。

また、WiFiに限定するのであれば2.4Ghz帯の「IEEE 802.11n」(WiFi 4)最大300Mbps程度の機種を使用しているのであれば、わざわざ購入し直す必要は無いかと思います。それ以前の(IEEE 802.11g)最大54Mbpsですので光回線が100Mbpsを超えている今はおすすめできません。(IEEE 802.11g)以前のWiFi機器をお使いの方は買い換えの検討をなさるのもよいかと思います。

その前にもっとも手っ取り早く、試していただきたい方法は「細くて扱いやすいLANケーブルも色々なメーカーから発売されていますので、新たに機器を買い換える前に有線LANでの接続を試す!」ことだと思います。

※光回線で100Mbps以上の契約なのにスピードテスト等で100Mbpsを超えないという方は、ハブやルータ、LAN配線等でどこかに100 base-tの規格の機材が混じっている可能性があります。弊社でも別の階への有線がCAT5eにも関わらず1G base-Tを認識しないという現象がありました。対応策としてはLAN配線を切断して「ぐっとすプラグ(過去記事)」のCAT6対応モデルにオス・メス共に交換することで改善したことがありました。

※今回のテストはあくまでも光回線のネット環境をWiFiに乗せるというものですので、共有環境でのファイルの転送速度をテストしているものではありません。WiFi 6環境が構築できたら、ファイル転送の実測テストもやってみたいと思っています。

※最新のWiFi6(IEEE 802.11ax)はMacBook Proが対応していないこともあり、テストできていません。この接続は速度が上がるというだけでなく、接続の安定性も向上しているようです。

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