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徐々にわかってきた空間オーディオの正体(MacとAirPods 3で検証)。

M1 MacDolby AtmosAirPods

Appleの空間オーディオ(Special Audio)とは何なのか?また、ドルビーアトモスとの違いは?

Macに限ってですが、少しわかったことをまとめてみます(M1 MacAirPods3での実証)。

Dolby Atmos(ドルビーアトモス)と空間オーディオの違いについて

私のサイトでもM1 MacとAVアンプを接続して空間オーディオを楽しむ「Macでサラウンド」と話題にさせてもらっています。でも、どうやらこれは間違っていたようです。「サラウンド(ドルビーアトモス) + ヘッドトラッキング」これを両方満たした場合のみAppleは空間オーディオと定義しているようです。

空間オーディオのサラウンド再生部分はドルビーアトモスの技術をそのまま流用しています。AmazonがMusic Unlimitedのユーザーに提供にしているサービスの名称変更を見ても明白です。

10月中旬から「3Dオーディオ」と呼んでいた音源を「空間オーディオ(Dolby Atmos)」と「360 Reality Audio(SONYの技術)」にAmazonでは分けて表示するようになりました。このサービスでも「Dolby Atmos」は空間オーディオが利用可能(Macは未対応)な事からも読み解けます。ドルビーの技術を利用しAirPods3、AirPods Pro、AirPods Max等の対応機器で特定のアプリから利用し、ヘッドトラッキング機能を追加して再生する事をどうやら「空間オーディオ(Special Audio)」と呼ぶようです。

特定のアプリはQuickTime、Music App、Apple TV App、FaceTimeです。

Safariは「空間オーディオ」には対応していませんが、下記の「ステレオを空間化」に対応しています。

最も手っ取り早い利用方法は、QuickTimeでドルビーアトモスのトレーラを再生する事で、「空間オーディオ」を体感できます(別記事参照)。

また、Apple Music(サブスクリプション)を契約されている方は専用のコンテンツが用意されていますので、説明を聞きながら「空間オーディオ」を楽しむことが可能です。

専門コンテンツだけに空間オーディオすげー!ってなります。

「ステレオを空間化」とは何なんでしょう?

「空間オーディオ」に対応していないステレオ(2ch)の音を空間オーディオ(サラウンド)に変えてくれる魔法のような機能です。

一体どのような場合にこの機能が発動するのでしょうか?

手っ取り早いのはSafariです。何でもかまいませんのでYouTubeとかNetflix等で動画を再生してみましょう(違いがわかりやすいのはTV的なステレオ配信のAbema TVのコンテンツ)。

AirPodsからはどのような音が聞こえていますか?デフォルト設定では「ステレオを空間化」になっていると思います。どのような状況で再生されているかの確認と設定の変更は下記の方法で可能です。

このチェックを外すと普通にステレオで再生されるように変更されます。

AVアンプでサラウンド環境を使ったことがある方であれば「お!あれか!」と思うことでしょう。おそらくですが「Dolby Surround(Dolby PLII)」のような技術を利用しているのではないかと思われます(もしくはこれを利用している)。

ドルビーのHPではこのように説明されています「ドルビープロロジックII(Dolby Pro Logic II)は、従来のステレオオーディオを5.1チャンネルサラウンドサウンドに変換し、臨場感と深みのあるシームレスなリスニング経験を提供します。」

ボブズマックではこの機能を「擬似サラウンド」と呼んでいます。

この疑似サラウンド機能を利用した「疑似サラウンド + ヘッドトラッキング」の状態をAppleは「ステレオを空間化」と呼ぶようです。

今のところですが、Appleのアプリでしかこの機能は利用できません(Mac)。

QuickTime、Safari等でこの機能を利用できます。例えばYouTubeやNetflix、Amazon Prime Video、Abema TV等の動画をブラウザ(Safari)で再生すると「ステレオを空間化」で擬似的なサラウンドが体感可能です。

ちなみにChrome、Firefoxで同じものを再生しても、ただのステレオでしか再生されません。将来的には対応するアプリが今後増えていくのではないでしょうか。


QuickTimeで「空間オーディオ」が再生されるファイル(6ch)ではなく、普通のステレオファイル(2ch)を再生したらどのようになるか実験してみました。

早速、ファイルをFF Works(ffmpeg)で6ch(サラウンド)ファイルからステレオ(2ch)に変換します。

こちらのamaze trailerを利用させていただきました。

まずはこのファイルをFF Workにドラッグアンドドロップします。次にオーディオのEditボタンを押します。

コーデック(Codec)はACCでしたがAC3に変換します(不要かも)。次にチャンネル(Channels)からステレオを選択してデフォルト設定にある「Apple TV 4K」用ファイル書き出します。

ファイル書き出しが終わり、「情報を見る」で確認すると下記のようになりました。オーディオチャンネルが6からステレオになっているのがわかりますね。

ではQuickTimeで再生してみます。おお!「ステレオを空間化」が表示されている!!

普通の2chのステレオファイルでもQuickTimeで再生すると「ステレオを空間化」を選択できることがわかりました。

音楽だけが入っているmp3ファイルやm4pファイルも再生してみましたが、こちらは非対応でした。


ここで大きな問題発生です。Dolby Atomsファイルを「空間オーディオ」で再生した場合とステレオファイルを「ステレオ空間化」で再生した場合の差がAirPods3で聞いたらあまり変わらないんです。

「AVアンプでサラウンド」環境の場合はスピーカーのどこから音が出ているか、フロントスピーカーがうまく使われているか、センタースピーカーがちゃんと活用されているか、サラウンドスピーカーから必要な音が出ているか等を確認すると、「擬似的サラウンド」と「リアルサラウンド」は違いはわかります。

しかし、AirPods3ではこの差が非常にわかりにくいのです(特にドルビーアトモスのトレーラ)。

何度も同じ場所をリピートして、よく聞き比べててみると低音の迫力、立体的な広がりは違う気はします。元々、AirPods3には物理的にサラウンドのスピーカー配置なんかないですからね。”疑似サラウンドを再生するイヤホン”に”疑似サラウンドの音を流す”のだから当然といえば当然です。

耳ではわからないときは「空間オーディオ」なのか「ステレオを空間化」になっているかの判断はココを見るしかないかも。


もうひとつややこしいのがここからです。

同じドルビーアトモスのトレーラをVLCやIINAで再生してみたところ、「空間オーディオ」表示にはなりませんがDolbyファイルはきちんとサラウンドで再生されているようです(私の耳判断)。

セリフのあるもっとわかりやすい映画の予告編のDolby Atmosファイルをサラウンド(6ch)とステレオ(2ch)で比較したところ、ステレオとサラウンド違いがはっきりわかりました。

この結果からMacとAirPods3AirPods ProAirPods Max等の接続は下記のような再生モードが存在しているのではないかと推測されます。

  • 空間オーディオ(ヘッドトラッキングON)
  • ステレオを空間化(ヘッドトラッキングON)
  • ステレオ(空間化をオフにした状態)
  • 表示は出ないけどサラウンド(空間オーディオからヘッドトラッキングを無くした状態)
  • ステレオ(「ステレオを空間化」ができない状態)

M1でないMacもサラウンドとステレオを区別した再生ができるっぽい(AirPods3使用時)。

MacBook Pro 15inch(2018)のQuickTimeで再生してみました。上記のドルビーアトモスのトレーラと映画の予告編のDolby Atmosファイルをサラウンド(6ch)とステレオ(2ch)で同様に比較しました。低音の強弱と台詞、音の広がりが6ch(サラウンド)ファイルの方が迫力のあるように聞こえました。

ものによるとIntel Macでもヘッドトラッキング機能を除いた空間オーディオ機能が使えるようです。

ただ「ステレオを空間化(擬似的サラウンド)」は使えないのでSafariで何を再生しても普通にステレオでしか再生されません。このあたりがM1 Macの大きな差別化になっているのではないでしょうか。


今回の空間オーディオは特殊な機材を持っていなくても多くの方が楽しめます。ユーザーが増えれば「Dolby Atoms(ドルビーアトモス)」を利用したサービスが今後どんどん増えていきそうで楽しみです。

マイナーな「AVアンプでサラウンド」ユーザーはその恩恵が少しでもあればいいなと今後も楽しんで色々レビューしたいと思います。


AirPods(第3世代)がAmazonでAppleよりお得に買えるみたいですよ〜。


※あくまで個人の耳での感想です。このページは今後、情報の追加等により加筆修正をしていきますので、ご了承ください。また、耳というアナログで感覚的な評価ですので間違えがあれば修正をしていきます。

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