増税前の駆け込みで買うべきものなのかどうかの議論はともかく、増税前日の2019年9月30日に弊社にAppleからMac mini 2018が到着しました。
今回は弊社初のApple純正10Gb Ethernetですのでどこまで数値が伸びるか!
Apple純正 10Gb Ethernetの実力は果たして使えるのか?
その前に少し10Gb Ethernetについて説明をします。現在のMac製品はほとんどが1G(1,000BaseT)Ethernetが標準で装備されています。
普通に売られているHDD(ハードディスク)をUSBで接続して使用する速度が、1Gb Ethernetという感じで思ってください。10Gb EthernetはというとSATAのSSDや外付けの普通のSSDの速度を思い浮かべていただけるとわかりやすいかと。
他のパソコンとLANでつないだときにコピー(データの受け渡し)の速度がHDD程度なのかSSD程度なのかという違いが1Gb、10Gb Ethernetの速度の違いと思えば良いかと(大雑把ですが)。
※PC側のSSDがその速度より早いことが条件です(HDDに10Gb Ethernetでアクセスしたからといって、その物理的速度より速くなることはありません)。
それではまず複合ファイルによるスピードテストを開始します。
いつもの動画ファイル、画像ファイル、データファイルを含む47.71G(400個弱のファイル)の詰め合わせをコピーする速度で実験をしました。
Mac mini 2018の10Gb Ethernet速度(時間)
前回の「10G base-T Ethernetはどこまで使えるか」ではライトが遅いMacPro 2009にコピーする際に速度の低下が見られましたが、リード・ライト共にほぼ同じ時間でコピーが終了しました。
MacBooK ProとMac mini のSSD速度の違いによる影響
10Gb Ethernetでアクセスをした場合はデータを受け取る側のSSDのライト(書き込み)性能によって速度が変化するようです。MacBooK Pro 2018とMac mini 2018の512G SSDは下記のようにほぼライト(書き込み)が同じ性能です。10Gb Ethernetのリード・ライト(読み書き)が誤差程度の数字になったことは納得がいくところです。
Mac mini 2018の10Gb Ethernet速度(MB/s)
時間をMB/s換算したのが上記のグラフです。リード・ライト共に570MB/sを超えました(理論上の10G base-Tは10,000MbpsなのでMB/s変換すると1,250MB/s、実速は70〜80%程度875〜1,000MB/s)。
700MB/sあたりを超えてくるかと期待していましたが、現実には600MB/s弱という結果でした。現在のMac OSでの10Gb Ethernetの限界値はこのあたりになってくるのかもしれません。ハード的なジャンボフレームの限界値は「パケット最大16352 bytes」に設定されているようですので、Mac OSの性質上の限界値が9,000に設定されてる影響かもしれません。そのあたりがOSレベルで対応されればもう少し速度アップが見込めるのかもしれません。
だた、単一ファイルの動画ファイル(13.54G)でコピーのテストを数回繰り返してみたところ、平均の最大の数値で884MB/sという数字が出たところを見ると、もっと容量の少ないファイルのコピー時にはそれよりも速い数字が出ている可能性はあります。
残念だったような書き方をしましたが、リード・ライト共に500MB/sを超えると言うことは、外付けのSSDと同じ速度(別記事参照)で社内のPC同士がファイルのやりとりが出来るわけで、部屋が違っていても、階層が違っていても同じ10Gb Ethernet環境のシステムが出来ていればこの速度でファイル共有ができる。そう考えればすごいことだと思います。10Gb Ethernetの対応カテゴリであるCAT7ケーブルは単純伝送距離100mですから(ハブやその他のハードを利用すればもっと距離が伸びる)。
デザイン事務所のような省スペースで役に立つのは10Gb Ethernet対応のNASやファイル共有のサーバー的な運用でしょうか?PCが10Gb Ethernet対応さえしていれば、数本のケーブルと10Gb Ethernetハブの設備投資で運用開始できますから比較的に敷居は低いかと。
Mac miniのオプションで10Gb Ethernetを選んで注文するだけで、10Gb Ethernetが使えるわけではないので注意!
前回の記事「10G base-T Ethernetはどこまで使えるか」で詳しく10Gb Ethernetに関して書いています。まずはこの記事を参照ください。
プラスの価格が11,000円(税別)であれば、今すぐ必要で無い方もオプション選択をして購入する事をおすすめします。
ただ、それはビジネス用途としての話で、ご自宅で利用される場合は不要なオプションかもしれません。