Mac OS 15 SequoiaはついにAVアンプを接続することでDolby Atmos(空間オーディオ、Apple TV+)にHDMIパススルーで対応。
Mac SurroundDolby AtmosAVアンプ過去の記事には書いていますが、Macでサラウンドを楽しむことは今までもできていました。ただ、制限があり5.1chまでしか対応していませんでした。今回のMac OS 15 SequoiaはHDMIのパススルーを優先する設定が追加されました。
Mac側からリアルなDolby Atmosの音源データを出力することでAVアンプ側でリアルなDolby Atmosのデータを処理できるようになりました。新しいOSの新機能は色々ありますが、これははっきり言って革命です。
MacBookやiPad、イヤホンでも空間オーディオを楽しめますが、AVアンプとスピーカーから流れる音源は別物です。
※デベロッパベータ版でのレビューですので、あってほしくはないですが、Sequoiaのリリースの際に実装されない可能性はあります。
今の所使用できるアプリはApple Musicの空間オーディオとApple TV+のAtmos対応の映像
Apple TV +では上記のようにDolby Atmos対応のマークのある映画やドラマは対応しています。
同様にApple Musicの空間オーディオでDolby Atmos対応のマークのある音楽です。
Mac OSのsequoiaとsonomaでは何がどのように変わったのでしょう?
上記はApple Musicの設定画面です。sonomaもドルビーアトモスの設定はありました。これのおかげで5.1chのAVアンプではサラウンドの再生が可能でした。しかしseqioiaではHDMIパススルーという項目が追加されました。それではApple TV +の設定画面をみてみましょう。
デバロッパーベータ版ですので英語の表記になっていますが、こちらもHDMIパススルーという項目が追加されています。
HDMIパススルーとは一体なんなのか?どんなメリットがあるのか?
簡単に説明すると、下の図を見てください。これが通常の音声の出力の形式です。5.1chまでしか対応していません(最大チャンネル数は6チャンネル)。普通にMacとしては8チャンネルまで対応しているはずなのですが、ななぜか7、8チャンネルは5、6チャンネルと同じ音源が流れる使用になっています。
要はMacの内部処理でチャンネル(出力)の1番は左のフロントスピーカーの音と割り当てる仕組みで成り立っています。アンプではそのチャンネルの音はこのスピーカーで鳴らしてくださいと指示を出しています。試しにチャンネルの振り分けを1と2を入れ替えると左右のスピーカーからは左右逆の音が流れます(変更の方法はこちら)。要はパソコンの中で音をデコードしてアンプにデジタル信号を送っています。
よくあったのがセンタースピーカーとサブウーファーの番号が入れ替わっていて時々手動で設定しなければならないことがありました。
AVアンプ側としてはマルチチャンネルとしてMacでデコードしたチャンネルを再生するというものでした。
ではHDMIパススルーを使用するとどうなるのか?
AVアンプにDolby Atmosの信号をそのまま送り、アンプ側でデコードとチャンネルの設定をしてくれます。Dolby Atmos対応の性能の高いアンプであればあるほどこの辺りの処理がきっと優秀なのでしょうね〜。
私は予算も限られているので。最小限の5.1.2chとDolby Atmos対応のエントリーモデルのDenon AVR-X1700Hで楽しんでいます。その当時は発売されてなかったのですが、今ならAVR-X1800Hを買うかなぁ。
Dolby Atmosの凄さは何なのか?
普通のサラウンドは5.1chとか7.1chとか普通にスピーカーの数を前、左右、後ろと360度方向で増やしていくことで後ろや左右から音が聞こえ特に映画などでは立体感を感じ迫力のある音を感じることができます。
それに対しDolby Atmosは上から下向きのスピーカーを追加することで再生が可能です(詳しくは過去記事参照)。
5.1.2chとか7.1.2ch、7.1.4chとか表記したりします(三桁目の数字は上部に配置されているスピーカーの数を表します)。
上方にスピーカーを配置することで全体を包み込む音楽を提供することができます。あくまで私の主観ですが、サラウンドは立体的な音楽を楽しむことができる。Dolby Atmosはそれに包み込まれるような要素が加わり、違和感のない立体的な音を楽しむことができます。
ですので、今までは映画を見るのにサラウンドは多く活用されてきましたが、Dolby Atmosは音楽の音源が増えているのは時代はステレオからDolby Atmosへと新しい時代の幕開けを迎えているのではないかと思います。
ライブ会場の最前列で、アーティストのレコーディングスタジオの中で音楽を聴いているような感覚を感じることができます。はっきり言って今までのサラウンド(5.1ch)で聴いていた音楽とDolby Atmos(5.1.2ch)は別物です。
今までもApple TV(ハード)では利用できたていたのですが、Macで作業をしながらApple Musicで音楽を選びながら再生できる環境は最高です。Apple Musicの空間オーディオに対応した音源もどんどん増えていますしね。もう少しApple MusicのUIで探しやすくしてくれるとありがたいかな〜。
今後の可能性
おそらくですが、SequoiaはOSの機能の根源的なレベルでパススルーを実装したのではないかと思います。流石にブラウザで再生したものがDolby Atmosの音源を再生できる時代はしばらく来ないと思います。
しかし、動画配信サービスは元々Dolby Atmosの音源を持って配信しているものも多いです。prime videoやNetflix、U-NEXT、Hulu等ですが今現在でもMac用のアプリを提供しているprime videoは少しの仕様変更でHDMIパススルーは実装できるのではないかと期待しています。