M1 Macを10ヶ月使ってみて気がついた事をまとめてみようと思います。購入を考えている方の参考になればと記事を書きます。厳密にはまだ10ヶ月はきていませんが、、、。
今までもメインのノートパソコンは2〜3年に一度買い換えをしてきましたが、今までは「お〜快適快適になったやん」「書き出し早くなったな〜!」という程度の感じ方でしたが、今回のMacBook Proへの移行は「別次元じゃね?」というぐらいの違いを感じまた、作業効率が驚くほど快適になりました。
どのぐらいすごいかというと、動画のエンコードをMacBook Air 2019(1.6GHzデュアルコアIntel Core i5/16G)で1本書き出す間に10本以上書き出せてしまうほどの差があります。
M1 Macは安く高性能だというのがすべての始まりだった。
M1 Mac Miniを例に取れば、たった10万払えばMacBook Pro 16インチの最高グレード(Intel Core i9/8 Cores)以上のCPU性能が得られるというのは本当に衝撃でしかありません。価格は1/4以下です(ちなみに私のMac MIni M1は整備品の67,980円)。
M1だけもすごい進化なのですが、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraとまあ次から次へと高性能化の波はとまりません。
そのおかげでM1が登場した時の衝撃が薄れてきている気がします。
現在販売されているIntel Mac Miniのエントリーモデルより16GBのメモリを選択したM1 Mac Miniのほうが安いです。高性能なM1 Macのほうが安く買えるというのはうれしい限りですね(Mac Mini/Intel Core i5のスコアは4,657)。
ほとんどのメジャーアプリはAppleSilicon対応済み。
ここ数ヶ月で未対応だったアプリも続々とAppleSilicon対応版をリリースしました。ほとんどのメジャーなアプリケーションはM1で利用可能です。今はM1に乗り換えることのハードルは低いといえるでしょう。
ですから、購入を検討される方も増えてくるのではないかと思います。
ただ、最近対応したばかりのアフターエフェクトですが、サードパーティー製のプラグイン等が非対応だと機能しないようですので、必要なプラグインがある方はメーカーのHPで確認をしてください。どうしてもというときは動作が遅くなりますが、ロゼッタ2の動作バージョンで起動すると今まで通り使用可能なようです(動作は遅くなります)。
M1 と M1 Max、M1 Ultraについて
「Mac Studio」は1T SSDで全部盛りでも70万を切る価格で購入が可能なので、Mac Pro 2019と比較すると驚くほど安いということになります。2.5GHz 28コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.4GHz)を追加すると77万円必要なのでCPUを追加する価格で最強のMac Studioが購入できてしまいます。
でも、M1搭載機種の安さと比べると驚くほど高い。もちろん下記の表のように性能が段違いなのは間違いないですが。
M1 と M1 Max、M1 Ultraの体感速度の違い
私自身M1 Maxを搭載したMacBook ProとM1 Mac miniを使っていますが、この2つを比べると明らかに体感の速度が違います。Mac MIniは動きがもっさりしており、同じアプリケーションを立ち上げても起動時間が大きく違います。ただ、Intel MacからM1に乗り換えると快適に感じますが、、、。
2機種はメモリ8G/64G、CPU M1/M1 Maxと構成も全く違うのですが、もっさり感じるのは内蔵のSSDの速度の差が影響してるようです。
通常のSSDはPCI Express x4という規格がほとんどですので下記のように上限の速度が決まります。2022年第1四半期には13,000MB/sのサーバー向けSSDが量産開始されるようです。
- PCIe3.0×4=32Gbps=4GB/s=4,000MB/s
- PCIe4.0×4=64Gbps=8GB/s=8,000MB/s
- PCIe5.0×4=128Gbps=16GB/s=16,000MB/s
AppleはM1 Macでは、この「PCI Express」ではなく独自の「Apple Fabric」を使用しています。まあまあ速度がでているの最適化がされているからということでしょうか。どちらにしてもSSDはPCI Expressに併せて開発されていますので、多少の上下はあったとしても上記の数字に近くなるでしょう。M2 Pro/MaxやM2 Ultraが出ることにはSSDの速度が15,000MB/sなんてこともあるかもしれませんね。
今後発売されるM2を搭載したMacのSSDの速度がM1 Max、M1 Ultra並に上がってくのかどうかが、購買意欲の注目ポイントになるでしょう。
動画のエンコードはほとんどの場合ベンチマークの数字に比例しますので、M1 Mac MiniとM1 Max Mac Book Proだと1.6倍程度速度が違います(ff・Worksで実測)。
M2の話題もちらほらで始めているがM1とM2を比較するとCPU性能が1.2倍程度性能が上がるのではとの予想されています。それが確かであれば、M1 MaxとM2のベンチマークの差は1.3〜1.4倍程度に縮まる事になりそうです。
今M1 Macを買うとしたら?どれがいい?
ノートパソコンを中心に3種類の構成を考えてみました。Mac Miniの8GBメモリを使ってみて、メモリは16GBあったら良かったなと実感していますのでそこを最低の構成にしてみました。
①Intelマックを使っていて、普段はOfficeやWEB、Adobe Illustrator、Photoshopをメインで使っているユーザーにおすすめの構成。
Mac Book Air(8コアCPU、8コアGPU、16コアNeural Engineを搭載したApple M1チップ、16GBメモリ、1T SSD)
普通に使うという方はこの構成で良いかと。今までのIntel Macより快適に使えること間違え無しです。SSDはそんなに要らないと言う方は164,780円で最小構成(512MB)でも問題ないです(メモリは16Gをおすすめします)。
モニタもあるし、ノートパソコンである必要が無い方はMac Miniで(同一構成で145,800円)。
弊社では8GBのMac Miniで普通にIllustratorとPhotoshopなら普通に作業できています。アプリの起動も速いので使わないときはできるだけ、アプリを終了させたりしながらメモリの少なさをカバーしながら使っています(Illustrator、Photoshop、Webブラウザぐらいだと大丈夫です)。
②動画編集を少しやっている(やってみたい)。パラレルズでWIndowsを使う必要があるユーザーにおすすめの構成。
Mac Book Pro 14インチ(8コアCPU、14コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M1 Pro、32GBメモリ、1T SSD)
32GBを選ばなければMacBook Proを買う意味が無いということで32GBメモリを選択しています。M1 Proの8コアのCPU性能はM1 Pro 10コアには劣りますが性能的には優秀です、ファイナルカット以外の動画編集ソフトはあまりGPU性能に影響されませんので、この構成で十分です。
この構成がもっとも価格とのバランスも良く、普通の作業で問題ない構成だと思っています。予算に余裕があるのであればこの構成がおすすめです。
最近の大学の新入生向けのWindowsの構成も16GBメモリを推奨しているようですので、パラレルズでメモリを16GB振っても使用に耐える構成としてはこの辺りが無難かと。どうしてもWindowsが必要なユーザーも多いと思います。
プラス22,000円で10コアのM1 Proに変更も可能ですので、長寿と高性能を求める方はこのオプション選択がさらに理想的です。
③ノートパソコンをメイン機種として使用し、動画編集も仕事としてやる。2枚以上の外付けモニタを利用し、Macがビジネスツールであるユーザー向けの構成。
Mac Book Pro 14インチ(10コアCPU、24コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M1 Max、64GMメモリ、1T SSD)
私自身この構成にプラスして32コアのGPUを選択しました。しかし、あまりその恩恵にはあずかれてないので、24コアのGPU搭載機で十分かと。ただ、プラス22,000円で32コアになるので、コストが気にならない方は32コアでも良いと思います。ただ、使ってみた感想として、あまり32コアのGPUの必要性は感じていません。
※ノートパソコンで作業をする時間が多く、持ち運びが苦痛にならない方は同一構成の16インチを選択すると良いと思います。
M2の発売を待つべきかどうか?
まず、MacBook Airの購入を検討されている方。
M2バージョンはカラフルでポップなデザインになりそうな予想もあります、今のシンプルなデザインと低価格をよしとするなら購入価値があります(為替が円安になっていますので、新機種の価格は1.2倍〜1.5倍になるかもしれません)。
先にも述べましたが、SSDの速度がどうなるかどうかがM2を選ぶかどうか重要な要素になると思います。まあ、どちらにしても一ヶ月後のWWDCが終わるまでは待つのが良い選択でしょう。世界の半導体不足の影響等もありM2 Macの発表は無いかもしれません。
MacBook Proの購入を検討されている方は納期にご注意ください。
中国のコロナのロックダウンの影響でMacBook Proのカスタムモデルは本日2022/05/06日に頼んでも2022/06/27〜2022/07/11となっています。最長で2ヶ月待ちになりそうですので、Proの購入を検討されている方は円安の影響で値段が上がる前に早めに購入されることをおすすめします。M2 Pro/Max事は考えなくて良いと思います(出るとしてもまだまだ先でしょう)。
Mac Studioってどうなの?
最小構成でも「10コアCPU、24コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M1 Max」ですので価格的にお得感は少ないです。1TのSSDを選択すると271,800円になります。
Mac miniでは最大搭載メモリも含め不満であるユーザー層を「Mac Studio」は拾えていません。M1 Pro構成で十分なユーザーも多いと思います。
ほぼ同じスペック(32GBメモリ/10コアCPU/24コアGPU/16コアNeural Engine/512GB SSD)でM1 MaxのMacBook ProとMac Studioの価格差を比較するとMacBook Pro(343,800円)Mac Studio(249,800円)と約10万円の差です。この価格差がそのままCPUが変わったからといって反映されかどうかわかりませんので、6万をノートパソコンとMac Studioの差額と仮定して計算します。
仮にM1 Pro構成のエントリーモデルのMac Studio(8コアCPU/14コアGPU/16GBユニファイドメモリ/512GB SSDストレージ)があったとしたらいくらになるのでしょう?MacBook Proの同一構成のエントリーモデルが239,800円ですからここから6万安くなると仮定すると179,800円という価格になります。メモリ32GBに変更で22,000円追加で201,800円。このあたりだとかなり魅力的です。
現製品は64〜128GBのメモリが必要でUltraの20コアのCPU処理能力が必要なヘビーユーザー方のみが、メインターゲットになっている製品のようです。
筐体の主張は性能に必要ありませんが、値段の割にはデザインはMac Miniとそんなに変わらところが残念です。半分ぐらいの高さのMac Proのようなデザインであれば購買意欲がわいてきたかな〜。
Web、紙媒体中心のデザイン事務所で考えると27インチのモニタと「Mac Studio」の購入コストにハードルが高い気がします。M1 Proを搭載したもう少し価格の安い「Mac Studio」の構成があれば良かったのですが、費用対効果がいまひとつでしょうか。iMacも27インチが無くなったので、24インチだと仕事で使うには画面が小さいので、選ぶなら27インチモニタとMac Mini(16GB)という構成に落ち着きそうです。
業務に使用するパソコンの選定は費用対効果をしっかり考えなければ会社の利益を失うことになりかねません。
動画を中心に編集しているスタッフであれば「Intel Mac Pro」を導入するのであれば、「Mac Studio」のM1 Ultra構成もありですね。
AppleSilicon版のMac Proが出るとしたら。
Mac Proがどのようになって出るのかは予想が非常に難しいです。
上の方にも書きましたが「PCI Express」ではなく独自の「Apple Fabric」を利用して拡張を制御しているからです。今のところは「Mac Studio」の64コアのGPUで十分な性能だと思いますので、GPUを交換できる必要もないでしょう。
もし、それでもThunderboltを利用せずに拡張性を増やすとなると「Apple Fabric」対応の拡張ボードをサードパーティーに作ってもらわなくてはなりません。そういう独自路線になると拡張性はあるが拡張するパーツが少ないMac Proの登場になりそうです。Windowsと共有できるパーツが多ければ多いほど市場が大きいので価格が安くなります。Intel Macの素晴らしい所は実はここにあった気がします。
「Mac Studio」にも解放はされていませんがSSDの拡張スロットがあるようですし、そういう所で差別化を図るとするのであれば、拡張はThunderbolt(PCI機器に対応している)に任せて後は性能を上げる方向にシフトするのでしょうか?HDDを内蔵できる仕様は良いかもしれません。
そうなると、M1 Maxを4つくっつけて40コアのCPUで128コアのGPU、256GBメモリとかでしょうか?確かにすごいですが、120万ぐらいかな?買えそうにはないですね。